米国弁護士に聞く!



米国弁護士資格についてより身近に感じていただくため、実務の第一線でご活躍の米国弁護士の方々に、資格の活かし方などを、ざっくばらんに語っていただきます。

第8回は、吉川達夫弁護士にお話いただきました。 吉川弁護士は、大学をご卒業後、国内大手商社(伊藤忠商事)の法務部門に配属され、米国ロースクールに留学。ニューヨーク州BarExam(司法試験)に合格されました。以後、伊藤忠商事で10年以上、アップルジャパン法務本部長として10年以上のご勤務を経て、現在はヴイエムウェア株式会社法務本部長に就任。日系企業と米国企業の双方、企業法務実務のまさに第一線で、20年以上という豊富なキャリアをお持ちです。

また、駒澤大学法科大学院で教鞭をとられたり、企業法務に関する書籍を執筆なさったり、弊社後援イベント「グローバル法務のプロフェッショナル」でも講師をお勤めいただいたりなど、企業法務の実務以外にも、幅広くご活躍されています。 今回は、BarExamの学習についてはもちろん、豊富な実務経験に基づき、日米の企業法務に関する考え方の違いや、企業法務における米国弁護士資格の価値について、語っていただきました。

(インタビュアー:アビタス米国弁護士講座担当)

吉川達夫氏(ニューヨーク州弁護士、ヴイエムウェア株式会社法務本部長)
吉川弁護士略歴|
Georgetown Universityロースクール LL.M.(法学修士)課程修了。伊藤忠商事株式会社法務部およびアップルジャパン法務本部長各10年以上勤務後、現在、ヴイエムウェア株式会社法務本部長、駒澤大学法科大学院、二松学舎大学大学院非常勤講師。

主要著書|『ライセンス契約のすべて実務応用編』、『ライセンス契約のすべて基礎編(第2版)』、『国際ビジネス法務』、『ケースブックアメリカ法概説』(※以上、レクシスネクシスジャパン)、『英文契約書の作成実務とモデル契約書』(第4版近日発売、中央経済社)、『英文契約書の基礎と使い方がわかる本』(CD付、C&R研究所) 等。論文多数。
※本インタビューは所属団体とは関係ありません


きっかけは、商社での最初の配属。企業法務でのキャリアスタート。
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インタビュアー

ご経歴を見る限り、まさしく企業における法務部門一筋、というキャリアをお持ちですが、法務のお仕事を決めたきっかけは、何でしょうか?

吉川弁護士

学生時代、弁護士や外交官を志望していたのですが、あまりに低い試験の合格率等を考え、あっさり勉強をすて、卒業後、私企業に就職することに決め、伊藤忠商事に入社しました。
その最初の配属が法務だったのです。

入社の際、配属希望を3つ書けと言われ、そのうちの一つは管理部門を選ばなければなりませんでした。選んだ部門は、ワインなどの輸入食品、ブランドビジネスの輸入繊維です。管理部門では、経理、人事、法務、情報、取引先のチェックを行う審査などがありました。

数字が苦手だから経理は無いし、人事は、何となく合わない感じがして。また審査は海外駐在先が多いのに対し、法務では海外駐在はニューヨークとロンドンしかなく少ないな、などといろいろ考えて審査を選んだところ、同じ部門の法務に決まった、というのが実情です。法律は自信があったわけではなかったのですが・・・。

だから、そのときに法務に配属されなければ、今とはかなり違ったキャリアになっていたと思います。

インタビュアー

その後、米国ロースクールへ留学なさいましたが、学習はいかがでしたか?

吉川弁護士

留学のきっかけは、当時の伊藤忠商事の社内制度でした。
2年に1人程度、米国のロースクールか、伊藤忠商事ニューヨーク事務所での研修を命じられていました。

吉川弁護士英語は、帰国子女ではないので、特にアドバンテージがあったわけではないのですが、元から国際的な業務に興味があったので、FEN(Far East Network:現AFN)の英語ラジオで音楽を聴いたり、できるだけ英語の音声で映画を見たりなど、折に触れて耳で学ぶように心がけていました。

米国のロースクールは、当時はロースクールがなかったので比較は難しいが、講義中心の日本の法学部 とは、大いに異なります。 一回の講義で2回くらい教授から指名され、口頭で答えなければいけません。当てられたときに、何を聞かれているのかというのを的確に理解すること、英語で適切に回答することが必要です。留学当初1か月くらいは、このようなロースクールの雰囲気が分からず、苦労したのを覚えています。

結局、「日本ではこうだった」という、日本での経験に固執せず、相手の雰囲気に合わせ、自分を合わせていく適用能力が必要なのだと思います。そのような適用能力は、ロースクールの学習だけでなく、転職やキャリアアップでも有効ではないでしょうか。




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