米国弁護士に聞く!


米国弁護士資格についてより身近に感じていただくため、実務の第一線でご活躍の米国弁護士の方々に、資格の活かし方などを、ざっくばらんに語っていただきます。

第3回は、清原博弁護士にお話いただきました。清原弁護士は、日本の司法試験合格後、裁判官等を経て、ニューヨーク州、カリフォルニア州の弁護士資格を相次いで取得され、現在、むさし国際法律事務所の代表を務めておいでです。また、法律知識の啓蒙にも造詣が深く、著書も複数出版されたり、テレビ番組でもコメンテーターをお務めになったりするなど、多方面でマルチなご活躍をされています。
加えて、2011年4月より、アビタスの米国弁護士コースで、複数科目をご担当いただいております。今回は、日米両国の司法試験の違いや、米国弁護士資格を目指す心構えなどについて、語っていただきました。
(インタビュアー:アビタス米国弁護士講座担当)

清原 博弁護士 | 略歴

1994年東京外国語大学外国語学部英米語学科卒業。司法試験(日本)に合格し司法修習を修了後、東京地方裁判所判事、法務省民事局付検事など歴任。その後、独立行政法人国際協力機構の要請でカンボジアに派遣され同国の法整備を支援。現在、日本、米国、カンボジアの3カ国にまたがってリーガルサービスを提供している。


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インタビュアー

清原先生は、大学では外国語をご専攻でしたが、どうして法律に興味を持たれたのですか?

 

清原弁護士

実をいうと、元々は、法律にはそれほど興味があるわけではありませんでした。
高校時代から英語が好きだったので、もっと英語を勉強しようと思い、大学でも英語を専攻したのです。ただ、大学3年で就職を考える際、「組織ではなく、自分の力でできる仕事がしたい」と感じ、資格を取ろうと決めました。

通訳、翻訳に係る資格とも思ったのですが、語学そのものよりも、語学を活かして何か仕事をしたい。そこで、色々な資格について、資格予備校のパンフレットを取り寄せる中、面白そうなのが「法律」だと感じました。同じ「法律」の資格に挑むなら、一番難しい試験にチャレンジしようと、日本の司法試験を目指したのです。勉強してみたら、これが結構楽しくて、法律は自分に向いているのかなと。
このように、法律の勉強を始めたのは、大学3年生からですね。その後、1度は試験に落ちて浪人しましたが、最終的には合格することができました。

インタビュアー

先生の場合、司法試験合格後、裁判官や法務省でのご勤務を重ねておられるのも、ユニークなキャリアだと思います。このいきさつについて、教えてください。

清原弁護士

清原弁護士司法試験に合格した当初は、英語力を活かし、国際法務の分野で、弁護士として活躍したいと考えていました。しかし、司法修習中、裁判官の教官から、いわばスカウトを受けたのです。

この点、法曹関係者以外にはわかりにくいと思うので、少し、補足をします。
弁護士、検察官、裁判官は、法曹三者と言われ、司法修習終了後、どれかを選ぶことができるというのが、建前です。ただ実際は、検察官、裁判官を自由に選ぶことはできません。弁護士以外になるには、修習中に、それぞれの担当教官に目をかけられる必要があります。そのためには、修習中の態度や成績などが評価されていなければなりません。つまり、声をかけられるのは、それなりに名誉な扱いといえるわけです。

裁判官希望でもスカウトされない方がいる中、せっかくスカウトされたのに断るのも申し訳ないな、という気持ちがありました。そこで、国際法務に関心を持ちつつも、めったにないチャンスだから裁判官になってみようと思って、裁判官になったのです。それから、人事異動の一環で、法務省へも出向しました。

インタビュアー

元々が国際法務を志向だったとのことですが、退官をしようと決めたきっかけは、何でしょうか?

清原弁護士

一つには、あらかじめ覚悟はしていましたが、裁判所でも、法務省でも、国際法務に関する仕事が専業ではなかったということです。

もっとも、法務省には、世界の国々とやりとりするような、国際的な仕事がいろいろあります。例えば、私自身はカンボジアの法整備支援を担当していました。法務省への出向も、英語力や国際法務への志望が評価された結果と考えています。ただ、国際的な仕事は、任官中はやはり本業ではなく、土日の休みを使ってやらざるを得ないような状況で、なんとなく付け足しのような扱いでした。英語力を活かすという実感も少なく、国際法務を専門的に仕事にしたいという気持ちが募ったのです。

もう一つが、早く米国ロースクールへ留学をしたかった点です。裁判所内でも留学の制度があり、年次的にも該当をしていたので、強く希望を出していたのですがこれが通らず、他の人々が選ばれたのです。

他の人々がロースクール留学をしていながら、自分はいけない。そういうジレンマがあり、相談した上司から、「行きたい方向が定まっていて、裁判官を辞めるつもりなら、早い方がよい」というアドバイスをいただき、退官を決め、留学をしました。




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