米国弁護士に聞く!

米国弁護士資格についてより身近に感じていただくため、実務の第一線でご活躍の米国弁護士の方々に、資格の活かし方などを、ざっくばらんに語っていただきます。

記念すべき第1回は、牧野和夫弁護士。

牧野弁護士は、国内企業、外資系企業それぞれでの企業法務のご経験の他、法科大学院でも教鞭を取っておられ、実務と法学教育両方について、豊富な知見をお持ちです。

今回は、資格の活かし方に加え、日米の企業風土や法学教育の相違など、様々なお話をうかがうことができました。
(インタビュアー:アビタス米国弁護士講座担当)

牧野和夫弁護士 | 略歴
1981年、早稲田大学法学部卒業。ジョージタウン大学ロースクール法学修士号、米国弁護士登録(ミシガン州)。いすゞ自動車法務部課長、アップルコンピュータ株式会社法務部長等を経て、現在は大宮法科大学院大学客員教授、芝綜合法律事務所所属(第二東京弁護士会所属)。 内閣司法制度改革推進本部法曹養成検討会委員として日本のロースクール制度・新司法試験制度の設計に尽力。

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インタビュアー

まず、牧野先生が米国弁護士を目指された経緯について、お話ください。

牧野弁護士

はい。私は、大学の法学部を卒業後、国内の自動車メーカーに就職しました。その総務部法規グループ(現在の法務部)で、英文契約関連の業務に携わったのが、最初の企業法務の経験です。それまで国内企業、特にメーカーは、海外との契約関係を総合商社に任せきりというところも多かったのですが、PL(製造物責任)への対応なども本格化し、徐々に社内で体制を作ろうという動きになってきたところです。

ところが、当時の法務担当者は、皆、司法試験の受験経験者。私は法学部ですが、司法試験の勉強をしていなかったので、肩身が狭かったんですね。どうにか見返してやろうと思っていたところ、GM(いすゞ自動車はGM傘下でした)の研修プログラムの一環でデトロイトに行く機会があり、そこで、カナダの弁護士資格で活躍している日本人の方と知り合いました。

その方によれば、「米国弁護士資格は、日本に比べて簡単」とのことで、興味を持ったのがきっかけです。その後、自費で留学を目指そうと思ったのですが、たまたま社内で留学制度ができ、ジョージタウン大学のロースクールに留学しました。Bar Exam(司法試験)は、自動車メーカーということもあり、デトロイトのあるミシガン州のBar Examを受けたのです。

*注:2011年現在、ミシガン州は永住権の要件があり、日本人の受験はできないそうです。

インタビュアー

先生は、ミシガン州の弁護士資格をお持ちですが、米国弁護士として、州ごとに何か扱いが異なるということはありますか?

牧野弁護士

牧野弁護士実際にはほとんどありません。確かに、弁護士資格は州ごとに認定をしますが、州同士でreciprocity(相互主義)を認めており、一つの州の資格を持っていれば、多くの場合差し支えはありません。ただ、ハワイ、フロリダ、カリフォルニアなど、試験を受けなければいけない州もあります。温暖で過ごしやすい州では、弁護士が集中する可能性が高いからだと思います。


また、試験についても、州法と連邦法から構成されていますが、MBE(全米共通4択試験)をはじめ、多くの内容は重なっています。特に、ビジネスに関連する法律の科目は、ほぼ同じと考えてよいのではないでしょうか。



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