アビタス社員Kのプロフィール

 

性別:男

年齢:30代

学歴:法学部卒業。法科大学院修了司法試験受験経験あり。海外留学経験はない。

FCSLに2015年9月期(8月24日開講)入学。米国法マスターコースは2015年4月より受講中。

2016/10/11

Episode 10 ~無事LL.Mコース修了~

8月下旬に最終成績が発表され、無事LL.Mコースを修了した。

■試験終了からLL.Mコース修了まで

aa7月28日に期末試験が終わり、同時に8月26日までに成績の発表があることを確認した。

それまでは待機期間である。8月23日、最終成績が発表された。卒業要件を満たしていることを確認し、とても安心した。

必ずしもよい成績とはいえないものの、手ごたえを感じながら学習できた1年であり、頑張ってきてよかったと思った。

修了を確認した後、メールでDiplomaの受領手続きをとった。

■最終学期の各科目のグレード

●Business Organization

―成績はまあまあだった。教授に直接連絡を取って確認したところ、Essayの答案で論点落ちはなかったが、優秀者はより充実した答案を書いていたとのことだった。

成績を伸ばすためには、IRACの形式面は当然のこと、Issueを細かく絞り込んでおり、Applicationが複眼的であり、答案全体の流れがよいことが必要なのだろう。

●Wills and Trust

―成績はあまり良くなかった。こちらも教授に直接連絡を取って確認したところ、主要な論点は落としておらず、また全体的に論点をしっかり分析しているが、もっと充実した答案を書いてほしかったとのことだった。

Essayの問題が典型的かつ基本的な問題であったからこそ、書き方と内容の豊富さで差がついたのだと分析している。

●Legal Analysis

―成績はまあまあだった。試験はPerformance Testを意識した内容だった。日本の司法試験の学習では実務で用いられる文書を起案する機会はほとんどない。そこで、貴重な経験を得るため、十分に準備をして試験に臨んだ。

今振り返ってみると、インプットについては最低限の知識にとどめ、起案とそのフィードバックの機会を増やした方が私にとっては質の良い学習になったかもしれない。

全体として、IRAC (三段論法)を適切に用いてより充実した内容を時間内に表現する練習が必要であることを実感する試験になった。

私がこれまで練習したEssay問題の数は、マスターコースのテキストに掲載されているEssayの過去問(カリフォルニア州のみ)を30問程度、FCSLの講義で配布されたPerformance Testを1問、FCSLの答案添削を5問程度である。それらを通して各科目の答案のイメージや自分なりの時間の使い方は固まったが、まだまだ伸びしろはあると思う。

今後は、合格レベルのEssayの答案はどのようなもので、自分の答案をどのように改善すべきなのかをしっかり分析していきたいと思う。

ちなみに、マスターコースでは年内に、サンプルアンサーに至らないまでも現実に合格水準に達するための答案解説講義(Essay対策講義・Performance Test対策講義)を配信する予定となっている。非常に楽しみである。

■Diplomaを受け取っての感想―1年間を振り返って

9月20日にDiploma (卒業証書)が届いた。国際郵便のパッケージに裸のままで入っていた。台風の影響で少々濡れてしまっていたが、机の上で眺めてみると、何とも感慨深いものである。

2015年8月末の入学時から感じたことは、

①メリハリをつけて学習すること

②時間を有効活用すること

③法律英語をアウトプットすること

の必要性だった。当初はFCSLのテキストと講義動画を消化するのに精一杯で、学習方法を確立しながらアメリカ法を身に付けることの負担はとても大きかった。しかし、様々あるツールの中から自分が学習しやすいものを1つ選び、使いやすいようにカスタマイズすることで少しずつ余裕が出てきた。

そして法律英語にも慣れ、自分が持っている日本法の知識とリンクするところも見つけられて、学習を楽しめるようになった。また、日本法と同じように法律の趣旨から考えることで、アメリカの法制度を骨太に理解した状態で法律知識が身に付いてきた。

その後学習が進み、次は多くの科目の履修への対応を迫られた。FCSLでは、1つの学期で無理して多くの科目を履修する必要はない。もちろん自分のペースで学習することもできる。

ただ私は早いうちに受験資格を取得したかったというだけだ。

この段階では、情報量が増えてきたため、コンパクトなインプットとアウトプットを求めてマスターコースのテキストを利用し始めた。これがかなりの効力を発揮し、一気に学習の質が高まった。

履修科目が増えたにもかかわらずアウトプットに割く時間が著しく増加したのである。もっと早く気づいていればよかった。インプットの時には淡々と読んでいただけだが、アウトプットしながら読み込んでいくと「これいいじゃん!」と思えるようになった。この感覚は今後も忘れられないだろう。

ちなみに私がFCSLで使ったのは、FCSLの講義用レジュメ、マスターコースのテキストと問題集、Black’s Law DictionaryのPocket Edition (こちらは書店で個人的に購入したがアプリもある)、Farlex社が出しているLegal dictionaryのアプリだけである。その他の教材には全く手を出していない。

このように、受講期間中は学習に必死でのんびり振り返ることもなかったが、受講を終えてDiplomaを眺めていると、本当にいろいろな出来事や感情が思い出される。

普段の淡々とした学習時間から離れて人間らしくいることのできる時間だ。この感覚は実際に受講した者にしか感じられないのではないか。FCSLを検討している方がいらっしゃれば、受験資格のためにも、また達成感を得るためにも、ぜひ頑張っていただければと思う。

■実感できた成長―英語力、法律知識・法的思考力

まず、身に染みて感じられるのは、英語力が向上したことである。例えば、英文を読みながら英語で物事を考えることができるようになり、その結果、MBEの問題を解くスピードが1.5倍ほど上がった。また、他の受講生の中には、FCSLやBar Examの学習を通じてTOEICの点数が100点以上上がり、900点台になった方もいる。

法律英語についていえば、Establishmentが「国教禁止」の意味を持っているというように、日本と同様、専門性の程度が高く、ネイティブでも学習しなければ意味が分からないことが多くある。専門分野の語彙が増えたこと、専門的な講義にもついていけるほど英語力が向上したことを実感でき、とても嬉しい。

また、日常生活でアメリカ法の知識が身に付いているなと実感することが多くなった。例えば、最近、「The Firm (ザ・ファーム法律事務所)」という映画を鑑賞した。主人公は、法律事務所で働きながらBar Examに向けて学習していく中、厄介な事件に巻き込まれていく。

この映画では法律英語が随所に現れるのだが、その意味を理解できたときは嬉しくなる。また、単語の意味やセリフの背景となる法制度を理解しながら楽しめている。

さらに、法的思考の視野も広がったと思う。例えば、日本の民事訴訟法についていえば、母校の講義で管轄権の問題が大きく取り上げられることはなかった。「被告の住所に裁判管轄が認められるのは、被告の応訴の負担を考慮したためだ」という程度である。

しかし、日本と比べてアメリカは国土が広い上、連邦裁判所と州裁判所の2つの裁判システムが存在するため、管轄権の論点はアメリカでは特に重要である。このように、アメリカ法の学習を通じて、国家の特徴と結びつけて法的に考える姿勢が身に付いた。FCSLでは、座学では得られない教授のオリジナリティ溢れる話や他国の学生との議論を通して法律を理解できるので、日本法を他国の法と比較する感覚が自然と養われたのだと思う。

■現在取り組んでいること―2017年7月California Bar Examの受験に向けて

Bar Examの受験には学習だけでなく、出願手続や、現地での滞在手続なども関わってくる。早くから情報を収集しておきたいと思い、State Bar of Californiaで手続きの流れを確認した(http://www.calbar.ca.gov/)。

ただ、2017年7月の出願受付がまだ始まってないこともあり、手続きに関してはまだ当事者意識が低い。

学習面では、現在Themisのサービスを利用して講義を視聴している。ロースクールで学んだ知識を整理しながら試験情報を教えてくれるという内容だ。

時々、なるほどと思わせるような情報が出てくる。例えば、刑法の不法目的侵入罪(Burglary)の箇所で、コモン・ロー上「夜間に」という要件を満たすことが必要だとされているが、今日では一般に1日のうちいかなる時でも建造物への侵入が起こりうることから、現在の模範刑法典及び州法では「夜間に限らず昼間」の侵入も不法目的侵入罪(Burglary)に該当し、MBEではそのような問題も出題されるというようにである。

全体を通して1回は視聴したいと思う。現在はメンテナンス期間のため講義だけだが、メンテナンス期間後には問題演習もできるようになり、学習管理機能も利用できるようになる。それまでは知識の整理とMBEのReleased Questionsの問題演習に取り組むことにしている。

私の体験記はこれで完結となります。面白くもなければ上手くもない文章だったかもしれませんが、これを読んで下さった方々がFCSLに入学し、受験資格の取得とBar Examの合格を目指して学習するために何かお役に立てればという気持ちだけは文章に乗せたつもりです。

これからBar Exam合格に向けて一緒に頑張っていきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。